2026年6月、宇宙開発企業の SpaceX がIPO価格135ドル、時価総額1.75兆ドルという衝撃的な条件で上場を目指していることが明らかになりました。これは史上最大級のIPOであり、世界中の投資家の注目を集めています。
しかし、多くの投資家が感じているのは、
「さすがに高すぎないか?」
という疑問でしょう。
今回は、ビビり投資家目線も交えながら、この1.75兆ドルという評価が妥当なのかを考えてみます。

まず結論
結論から言うと、
現在の業績だけを見るなら非常に高い評価です。
しかし、
将来の宇宙産業・通信産業・AI産業の覇権企業になると考えるなら、説明できなくもない水準です。
つまり、
- 現実を見る人は「割高」
- 未来を見る人は「妥当」
という評価になります。
1.75兆ドルはどれくらい凄いのか?
1.75兆ドルという時価総額は、上場した瞬間から世界トップクラスです。Reutersによると、上場時点で米国市場でもトップ10クラスの企業規模になります。
比較すると、
| 企業 | 時価総額 |
|---|---|
| Apple | 数兆ドル |
| Microsoft | 数兆ドル |
| NVIDIA | 数兆ドル |
| Tesla | 約1〜2兆ドル規模 |
| SpaceX(IPO時) | 1.75兆ドル |
つまり、
創業企業が上場初日からTesla級の評価を受ける
ということになります。
売上から見るとかなり高い
公開資料によると、SpaceXの2025年売上高は約187億ドルでした。前年比33%成長という素晴らしい数字です。
しかし、
時価総額1.75兆ドル ÷ 売上187億ドル
を計算すると、
売上倍率(PSR)は約94倍
になります。
ReutersやBarron'sも約70〜90倍という超高水準の評価を指摘しています。
一般的に見ると、
- 優良企業:PSR 5〜10倍
- 超成長企業:PSR 20〜30倍
- SpaceX:70〜90倍
です。
数字だけなら異常に高いと言えます。
なぜそれでも投資家は買うのか?
理由は、
投資家がロケット会社を買っているわけではないからです。
① Starlink
SpaceX最大の武器は衛星通信サービスの Starlink です。
世界中の通信市場は数兆ドル規模。
もしStarlinkが世界標準の通信インフラになれば、
現在の売上規模は単なる通過点になります。
② 宇宙輸送の独占
SpaceXは再利用ロケット分野で圧倒的な地位を築いています。
競争相手が簡単には追いつけない参入障壁を持っています。
これはかつての
- Amazonのクラウド
- Googleの検索
- NVIDIAのAI半導体
に近い評価のされ方です。
③ AIとの融合
投資家が注目しているのは、
宇宙産業だけではありません。
市場では、
- 宇宙データ
- AI
- 通信
- 防衛産業
が融合した巨大プラットフォームになる可能性が期待されています。Reutersは、今回の評価には「まだ存在しない市場を支配する期待」が含まれていると指摘しています。
ビビり投資家の視点
正直に言うと、
私はビビり投資家なら慎重になるべきだと思います。
なぜなら、
現在の評価には
未来10年〜20年分の成功シナリオがかなり織り込まれている
からです。
少しでも
- Starlinkの成長鈍化
- 宇宙事業の遅れ
- AI事業の失速
が起これば、
株価が大きく調整される可能性があります。
実際、Redditでも「1.75兆ドルは強気すぎる」「期待先行ではないか」という声が見られます。
それでも割高とは言い切れない理由
過去を振り返ると、
- Amazonは高すぎると言われた
- Teslaは高すぎると言われた
- NVIDIAも高すぎると言われた
しかし結果的には、その評価を超える成長を実現しました。
SpaceXも同じ道を歩む可能性があります。
もし、
- Starlinkが世界通信のインフラになる
- 火星関連ビジネスが実現する
- 軍事・防衛市場を拡大する
なら、
1.75兆ドルでも安かったと言われるかもしれません。
まとめ
SpaceXのIPO価格135ドル、時価総額1.75兆ドルは、
現在の業績基準で見れば明らかに高い評価です。
しかし、
投資家が買っているのは今のSpaceXではなく、
2035年や2040年のSpaceXです。
その未来が実現すると思うなら買い。
不安なら様子見。
ビビり投資家なら、
「素晴らしい会社」と「今すぐ買うべき株」を分けて考えることが大切でしょう。
宇宙開発史上最高の企業になる可能性もありますが、同時に史上最大級の期待を背負ったIPOでもあるのです。